病院薬剤師の仕事内容・イメージやメリット・デメリットまとめ

病院薬剤師の仕事 病院薬剤師

こんにちは、てぃもです!

「調剤薬局と病院どっちにしようか悩む」

「病院薬剤師ってどんなことしてるのか具体的に知りたい」

「病院薬剤師ってどんな流れで仕事を覚えていくの?」

と思っていませか?

私は新卒で慢性期病院に入職し約3年間働き、2回の転職を経てトータル約5年間病院薬剤師として働いてきました。

病院薬剤師の仕事は病院によって異なりますので決まった答えはありません。

この記事では私の経験を元に病院薬剤師の仕事内容などの病院薬剤師に関することを簡単にお話しします。

あくまでも私が経験した病院薬剤師の一例ではありますが、参考にしていただけると幸いです。



病院薬剤師のイメージ

病室

病院薬剤師のイメージって「なんか大変そう・忙しそう」「なんとなく怖い」「なんか難しそう」と思う方もいるかもしれません。

しかし実際は思っているほど大変でもないし働いてみたら意外と「イケる」と思うはずです。

むしろ私からすれば調剤薬局の方が忙しくて、大変だと思います。

また病院薬剤師と一口に言っても「病院の規模」や「院内処方かどうか」によって忙しさ・大変さは異なってきます。

私の体感を以下にまとめました。

病院の種類感想
大病院(当直あり・院内処方)忙しい・しんどい・無理
中小の総合病院(当直なし・院外処方)しんどいけどギリいける
中小病院(当直なし・院外処方)まあしんどいけどいける

当直経験はありませんが、当直のある総合病院で働いたことがあります。

その病院は院内処方率8割くらいでとてつもなく忙しかったです。臨時薬調剤も全然終わらないし、病棟を持っていた薬剤師は毎日残業で大変そうでしたね。忙しいのが好きな人にはおすすめです。

中小の総合病院ではパートで働いていましたが、定期薬はそれほど多くありませんが臨時薬が多いので大変でした。正社員の残業は日にもよりますが30分~1時間くらいしているようでした。

慢性期メインの中小病院では基本的に定時ちょっとすぎくらいには終わっていました。臨時薬は一日50枚くらいでしたが定期薬が多かったです。



病院薬剤師の仕事

白衣の女性

病院薬剤師の仕事に関して簡単にお話しします。

  • 病院薬剤師の仕事内容
  • 病院薬剤師の仕事服・必須アイテム
  • 病院薬剤師の一日のスケジュール例

病院薬剤師の仕事内容

  • 処方箋監査(処方変更を含む)
  • 調剤・鑑査(内服薬・注射薬)
  • 医師への疑義照会
  • 電話対応
  • 定期薬のカートセット
  • 発注
  • 病棟配置薬の期限チェック
  • 薬品請求の払い出し
  • DI業務
  • 持参薬鑑別
  • 病棟業務(初回面談、服薬指導、退院指導、カンファレンスなど)
  • 委員会

詳しくは慢性期病院は暇?病院薬剤師の主な仕事内容を解説をご覧ください。


病院薬剤師の仕事服・必須アイテム

仕事服

仕事服は白衣(左)かケーシー(右)のイメージが強いです。 両方支給してくれる病院もありました。 薬剤師がスクラブを着る病院もあるんですかね。

そういえばドラマ「アンサングシンデレラ」の薬剤師はスクラブを着ていましたね。

アンサングシンデレラ
引用:フジテレビ

また、上下ともに白衣に着替える病院もあれば私服の上に白衣を羽織るだけの病院もあります。

ケーシーは冬寒いので嫌でした。


必須アイテム
  • 印鑑
  • ボールペン
  • 治療薬マニュアル

最低この3つがあれば働けます。

詳しくは病院薬剤師の白衣ポケットには何が入っている?【私の場合】をご覧ください。


病院薬剤師の一日のスケジュール例

病院薬剤師の一日のスケジュール例がこちらです。

内服調剤担当編
(約200床、当直なし、手術室なし)
8:00
病院に到着 ロッカーで着替え
8:15
今日の仕事を確認
8:30
朝礼
8:40
調剤開始

今日の朝食後から開始の処方があるので先に調剤
9:00
臨時処方が一段落ついたので定期薬の調剤

定期処方箋の発行―定期処方箋の監査―(データを分包機に送信―分包機をひたすら回す)
カッコ内は調剤補助さんにお任せ!
定期薬の調剤をしつつ、臨時薬調剤も行う
10:30
調剤済みの臨時薬が溜まってきたので鑑査する
11:00
電話がかかってきたので対応する
telephone
12:00
臨時薬の調剤
電話がかかってくるので対応(先輩は歴書いてる)

定期薬の調剤再開
散剤や粉砕、水剤の調剤も行う
13:00
昼休み♪
lunch
\いただきま〜す!/
13:30
注射担当者、定期薬カートセット担当者が戻ってきたので定期薬調剤がはかどる
14:45
一般病棟担当者が定期調剤に少し参加してくれる
15:30
定期薬の調剤終了
今日のノルマが終わったので明日やる予定の定期処方箋を発行する
15:40
申し送りが始まるまで定期処方監査
16:30
申し送り

伝達事項があれば各自発言
16:40
帰る準備
パソコンや分包機の電源を切る
17:00
タイムカードを切って帰宅

詳しくは病院薬剤師は忙しい?一日のタイムスケジュール【仕事内容】をご覧ください。




新人病院薬剤師が仕事を覚える流れ

新人病院薬剤師が仕事を覚える流れの例がこちらです。

4月内服調剤
電話対応
5月注射調剤
6月内服&注射調剤に慣れる
7月定期薬カートセット
定期薬鑑査
8月内服調剤・ 注射調剤を極める
定期薬カートセットに慣れる
定期薬鑑査に慣れる
9月インスリン・吸入器の手技が説明できる
10月臨時薬鑑査の練習
11月臨時薬鑑査に慣れる
12月退院処方・持参薬処方の鑑査
1月麻薬調剤
2月病棟:先輩の後ろについていく
3月病棟:先輩の後ろについていく

詳しくは病院薬剤師一年目が仕事を覚える流れや教育制度は?をご覧ください。




病院薬剤師の地位

はてなが書かれた木製ブロックとペン

私の勝手なイメージですが、規模が大きい病院ほど薬剤師の地位は低く、規模が小さい病院ほど薬剤師の地位が高いイメージです。

詳しくは病院薬剤師の地位は低い?実際に働いて感じたことをご覧ください。




失敗しない病院選びのポイント

おすすめ

病院を選ぶときに失敗する確率をできるだけ下げる方法は情報収集をすることです。

転職エージェントからの情報も参考にはなりますが、最終的には自分の目で見た、耳で聞いた情報が正確です。

つまり病院を選ぶ上で見学は必須になります。

詳しくは薬剤師が病院への転職に失敗しないためには見学が必須な理由をご覧ください。




病院薬剤師になるメリット・デメリット

メリット・デメリット

調剤薬局薬剤師と比較したときのメリット・デメリットを考えました。

病院薬剤師になるメリット

  • カルテが見れる
  • 処方に直接関われる
  • 長いスパンで一人の患者さんに関われる
  • 注射薬の調剤ができる
  • 時間をかけて調剤できる
  • 多職種と関われる

カルテが見れる

調剤薬局では知れる情報が少ないですが、病院であれば検査値だけでなくバイタルや食事、お通じの頻度、医師・看護師・その他医療従事者から見た患者の状況などが分かります。


処方に直接関われる

調剤薬局であれば多くの場合、既に完成した処方しか見ることは無いと思いますが病院であれば医師から処方をする前に相談を受けることがあります。

こちらが提案した薬が処方に反映されるのは嬉しいものです。


長いスパンで一人の患者さんに関われる

長期間入院している患者さんであれば、より深く一人の患者に関われます。

そのため漫然と投与されている薬の見直しや、多剤服用している場合なら減薬の提案ができます。


注射薬の調剤ができる

調剤薬局であれば注射薬を調剤できるところは少ないと思いますが、病院であれば日常的に注射薬を調剤できます。

注射薬は内服薬と違い血管から直接薬剤が入るので同じ成分でも効き方が異なります。

また、配合変化を気にするなど気にしないといけないポイントがたくさんあり薬剤師としてのレベルも上がります。


時間をかけて調剤できる

調剤薬局であればいかに早く間違えずにお薬を渡せるかが重要になってくると思いますが、病院はよほどのことが無い限り急いで調剤しないといけない状況になりません。

個人的には病院で働く一番のメリットに感じます。



多職種と関われる

病院では医師、看護師、医療事務の方と関わることが多いですが病棟に上がると管理栄養士や理学・作業療法士・臨床検査技師・放射線技師など様々な職種と関わる機会があります。

そのため薬学的な視点以外からの視点でも見ることができます。


病院薬剤師になるデメリット

  • 他部署との人間関係に悩むことがある
  • やや肩身が狭い

他部署との人間関係に悩むことがある

病院では薬剤師だけでなく、医師や看護師、事務など他部署と頻繁に関わります。

その中で人間関係の悩みが発生することもあります。

例えば私の場合は苦手な医師がいたら「あの先生に電話したくないな」とか「あの看護師さん言い方きついから話しかけたくないな」とかはありました。


やや肩身が狭い

調剤室の中にいれば何も感じませんが、病棟では少し居づらい感じがします。


病院薬剤師に関するQ&A

Q&A
  • 病院薬剤師はどんな時に忙しい?
  • 病院薬剤師は立ち仕事が多い?
  • 病院薬剤師の性格は悪い?
  • 紙カルテと電子カルテ、どっちの病院が働きやすい?
  • 院内処方の病院はどんな感じ?

病院薬剤師はどんな時に忙しい?

忙しさは病院によって異なりますが、特に追い込まれるときは休みの人が多いときです。

あと大型連休前(GWや年末)は休日分の調剤も行うので業務量増えて忙しくなります。

一日の中でなら午前中と就業間際が忙しくなることが多いです。

詳しくは病院薬剤師が「忙しい日」と「忙しくない日」の違いをご覧ください。


病院薬剤師は立ち仕事が多い?

立っている時間が長いかどうかは病院の雰囲気や慣習にもよります。

ほぼ一日中座って仕事をしている人もいます。

詳しくは病院薬剤師は立ち仕事のイメージが強い?座るタイミングは?をご覧ください。


病院薬剤師には性格が悪い人が多い?

大病院の薬剤師は性格の悪い人が多く、中小病院の薬剤師の方が性格の良い人が多い傾向があります。

理由は、大病院は忙しい場合が多いので心に余裕がありません。

その結果他人に対してもきつくなりがちです。

それに比べ中小病院は大病院ほどの忙しさはないので心に余裕があり他人にも優しくなれるのだと考えています。


紙カルテと電子カルテ、どっちの病院が働きやすい?

電子カルテの病院が働きやすいです。

理由は調剤室からカルテが見れるからです。処方監査するときにカルテが見れると医師の処方意図がわかるのがありがたいですね。

詳しくは【病院薬剤師】紙カルテと電子カルテどっちが働きやすい?違いは?をご覧ください。


院内処方の病院はどんな感じ?

私の体験談になりますが大病院の院内処方はかなりきつかったです。

中小病院の院内処方は大病院ほどのしんどさはないのではないかと思います。

詳しくは【病院薬剤師】院内処方の病院ってどうなの?【体験談】をご覧ください。



まとめ

白衣の女性

病院ごとにある程度のルールは決まっていますが、どこまで丁寧に仕事をするのかはひとりひとりの裁量次第です。

病院薬剤師は初めて働く方にはしんどいと思われるかもしれませんが、実際に働いてみたらとても勉強になります。

いきなり正社員はしんどそうと思う方は最初はパートから働き始めて慣れてきたら正社員に変更するのもアリですね。

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