こんにちは、てぃもです!
「インシデントを減らしたい」
「インシデントを減らして上司や同僚に良いイメージを持たれたい」
「インシデントを減らしてメンタルを安定させたい」
と思っていませんか?
インシデントするとめっちゃへこみますよね…
自慢じゃないですが、私は薬剤師の中でもインシデントが多い方だと思います。
誰かが鑑査しながら「んっ⁉」と言っただけで「私なんかやらかしたかな⁉」と思ってしまうくらいです。
とはいえ経験年数が増えても誰だってインシデントを起こします。
だからこそいかにインシデントを減らせるかの対策は重要です。
この記事では私が実践して効果があったインシデントを減らす個人の対策などをお話しします。

インシデント影響度分類例

一番右の病院薬剤師ver.は私が働いていた病院の基準を参考にしています。この基準は病院によって違うことがあるので全病院共通というわけではありません。
私自身はレベル2まではやらかしたことがありますがほとんどはレベル0か1です。
レベル0はレポートを書かない病院もありました。(書いていたらキリがないので)
確かにレベル0でレポートを書くのってめんどくさいですよね。
新人薬剤師ほどインシデントが多い?
新人(1~2年目)の頃は誰だってたくさんインシデントをしますよね?
むしろ何度か同じインシデントをすることで仕事を覚えていきます。(インシデントを咎める人が一人でもいればその病院は辞めた方がいいです。)
ちょっと古いんですが、日本薬剤師会の新任薬剤師のための調剤事故防止テキスト(1ページ目)に興味深いグラフが掲載されていました。

左のグラフ(水色)にもある通り、薬剤師経験年数0~1年のミスが多いことは誰もが納得するだろうとは思いますし本テキストにも「新任者は事故を起こしやすい」というタイトルで書かれています。
しかしよく見ると11~20年の方が0~1年よりも多くインシデントを起こしていることがグラフ(水色)に表れています。
なぜこのような結果になっていると思いますか?
あくまで私の推測ですが、
薬剤師は女性が多い
→結婚や出産のため10年目くらいで一回退職
→数年後に再就職
→新たな病院で久しぶりの仕事
→年も取り物覚えも悪くなってる
→インシデントが増える
のようなことが起こっているのではないかと考えました。
部署配属期間(ピンク)のグラフを見ると、0~1年が職種経験年数(水色)グラフの0~1年よりもインシデント件数が多くなっています。
これは新人薬剤師だけでなく、新たな職場で働く職種経験10年以上の薬剤師が加わっているからではないでしょうか。
病院薬剤師がインシデントを減らすコツ

この記事を読んでいるってことはインシデントが多くて悩んでいる方ということですよね?
実際に私がやってみて効果があったものを共有します。
以下のことをやってからインシデントがかなり減りました。
特に変わったことはしていませんが、案外出来ていないこともあると思うのでチェックしてみてください。
- 他人とダブルチェック
- 自分で時間差ダブルチェック
- 指差し&小声出し確認
- 意識して休む
- 昼休みはスマホ・テレビNG!目をつむる
- しっかり睡眠をとる
他人とダブルチェック
これは皆さんされているとは思います。
しかしダブルチェックをする決まりが無いけど間違ったらヤバい作業もダブルチェックしていますか?
例えば、”鑑査中に間違いを見つけて自分一人で修正して誰にも確認してもらわない”など。心当たりありませんか?私はあります。
今まで間違ったことないからいいや~って思っちゃう人ほど、いろんなところでやらかします。
なので、患者さんの体内に入るものに自分が手を加えたときは必ず誰かに確認してもらうことをおすすめします。
自分で時間差ダブルチェック
内服薬ではあまりやらないんですが、注射調剤の時は必ずやるようにしています。(時間はかかりますが)
取り揃えの時点で間違っていたら終わりですし、規格がたくさんある薬品や見た目が似ている薬品などは一回調剤しただけでは気付かないこともあります。
鑑査者も気づかないこともありますし、それに間違いを指摘されるのも嫌じゃないですか?
指差し&小声出し確認
指差し&声出し確認もやりましょうってよく言われますよね。けどちゃんとやってる人って少なくないですか?
私が働いていた職場でもやってた人って少なかったです。
あと意識しないと忘れちゃったり…ミスが多いならなおさらやらないとですよね。
私はいつも小声でボソボソ言ってます(笑)
意識して休む
業務が忙しいと昼休み以外はぶっ通しで働いてしまいませんか?真面目な人ほどやってしまいがちだと思います。それでミスを連発してしまったり…
人間の集中力は長時間持たないことは知っていますか?
10秒間目を瞑ったりトイレに行ったり、小まめに意識して休むだけで脳が休まりミスも起こしにくくなります。
私は休憩することを忘れちゃうので腕時計をして時間を見るクセをつけました。
昼休みはスマホ・テレビNG!目をつむるor仮眠をとる
休憩室にテレビを置いている病院がありました。昼休みになるとみんなつけるんですよね。話しをするきっかけにはなりますが脳は休まりません。
あとは大敵のスマホですね。ついつい昼休みになると触っちゃいますがこれも全然休憩になっていないんです。
どうすればいいのかと言うと、目をつむったり仮眠をとったりすることで脳をちゃんと休ませ、午後に備えます。
けど話し相手がいるならお話し優先で良いと思います。
おすすめの本:脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法
しっかり睡眠をとる
これ一番大事です!めちゃくちゃ大事です!睡眠時間をちゃんと確保するようになってからミスがめちゃくちゃ減りました。これが一番効果ありました。
本当に睡眠の重要性を突き付けられました。
インシデント多くていつも寝不足だよ~って方は十分な睡眠をとってあげてください。
おすすめの本:SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術
インシデント発覚後のメンタルの保ち方

インシデント発覚後って落ち込みますよね。
落ち込みやすい人におすすめのメンタルの保ち方を紹介します。
- 出来るだけ早くインシデントレポートを書いてしまう
- 失敗=学び・成長
- 気が済むまで思い悩む
出来るだけ早くインシデントレポートを書いてしまう
朝一番にインシデントが発覚した日には一日がブルーな気持ちになりますよね。
他の仕事をしていてもそれが頭に浮かんできます。
そんなときは、時間を作ってなるべく早くインシデントレポートを書いてしまいます。
文字にすることで自分のミスを客観視でき、前向きな気持ちになりやすくなります。
失敗=学び・成長
”失敗=悪”って思っていませんか?
私も失敗は悪いものと思い込んだまま大人になりました。
多くの場合は小さなミスなので落ち込むことではないです。むしろ、小さいミスで済んでラッキー!くらいに思って大丈夫です。
今後同じことをしないようにするためにはどうすればよいかをちゃんと考えて対策すればいいんです。
くれぐれも自分を責めすぎて自信を無くさないようにしてください。
我々薬剤師は致命的なミスを起こす可能性もあります。それはダメです。
その致命的なミスを起こさないために小さなミスもできるだけ減らす努力は必要です。
おすすめの本:失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織
気が済むまで思い悩む
人間は「忘れよう忘れよう、考えないようにしよう」と思えば思うほど考えてしまう生き物です。
どうしても忘れられない時は気が済むまで思い悩みましょう。
しかしただ脳内で思い悩むのではなく、自分が何に悩んでいるのか、どうして悩んでいるのかを文字にすると解決策が見え、悩みが消えていきます。
おすすめの本:ゼロ秒思考
まとめ

インシデント連発して辞めたくなる時もあると思いますが、そうやって悩んでいるのはあなただけではありません。
インシデントを減らすのは永遠の課題ですのでもし今の職場で頑張っても自分が嫌になるだけなら、気分を変えるという意味で転職も考慮に入れてみてもいいかもしれませんね。
職場環境が変わるだけで仕事もやりやすくなることがあります。(インシデントが起こらないように仕組みから対策している病院もあります。)
自分の特性に合った職場で働けるといいですね。
薬剤師に向いていないかもと思っている方
追伸:トリプルチェック以上の効果

ダブルチェックでもダメならトリプルチェックすればいいやん!と誰もが一度は思うかもしれません。
しかし人の数が増えるほどインシデントは起こりやすくなることがわかっています。
リンゲルマン効果と言って、人数が増えるほど人は安心して手を抜いてしまいます。
私も心当たりがあります…
ダブルチェックの有効性を再考する34ページ目参照