【意外と普通】精神科病院での薬剤師の仕事や特徴をざっくり解説!

精神科病院は怖い? イメージ・特徴・仕事内容 病院薬剤師

こんにちは!てぃもです!

精神科病院で働いてみたいけどちょっとだけ怖いイメージがあって…興味はあるんだけど…

と思っていませんか?

わかります。私も最初は少し偏見がありました。

しかし実際に働いてみると、精神疾患を患っているからと言って何か特別な接し方をしなければならないというわけではありません。(言葉選びは重要ですが)

この記事では私が実際に働いていた精神科病院の経験を元に精神科病院の特徴や薬剤師の仕事についてお話しします。

執筆者

精神科病院のイメージ

わたしもそうだったのですが、精神科ってなんとなく怖いイメージないですか?

しかし実際は全く怖がる必要はありませんでした

今まで働いていた病院の患者さんと同じように接しても問題なかったです。

ただ、普通の病院よりは暴力的な方が多いので気を付けた方が良い時もあります。




精神科病院の特徴3つ

特徴①

鍵付きの扉がやたら多い

精神科は他の診療科と違い強制入院というものがあります。

心の病気を持っているだけで身体はほとんど問題が無い人が多いです。

なので鍵をしっかりかけておかないと逃げ出す可能性があります。

精神科病棟に入るときは鍵で開け、ちゃんと閉めることが基本です。

特徴②

CVPPP研修がある

シーブイピーピーピー?初めて見る人はそう読んでしまうと思います。

CVPPPとはComprehensive Violence Prevention and Protection Programの略で、読み方は「シーブイトリプルピー」。

包括的暴力防止プログラムを意味します。

簡単にいうと護身術みたいなものです。

精神科病院でしばしば取り入れられています。

しかしプログラムというからにはただの護身術ではありません

1.攻撃性に対する「リスクアセスメント」

2.怒りや攻撃性をしずめるための「ディエスカレーション」

3.暴力行為に対してチームで身体介入をはかる「チームテクニックス」

4.突発的におそわれた際に適切に逃げるための「ブレイクアウェイ」

5.暴力がおさまったあとのアフターケアとしての「ディブリーフィング」

引用元:HEIAN WEB MAGAZINE

暴力から身を守るだけでなく、そもそも暴力が起こらないように防ぐ対策から逃げ方、アフターケアまでを学ぶ研修です。

特徴③

優しい医者が多い

心の病を専門とする先生は優しい人が多いです。

疑義照会もしやすかったです。

中には患者さんには優しいけど、職員には雑な対応をする医師もいます。




精神科病院で働くメリット・デメリット

メリット・デメリット

精神科病院で働くメリットとデメリットを紹介します。

精神科病院で働くデメリット

  • へんぴな場所に建っている
  • 精神科以外に学べることが少ない
  • 転職に不利になるかも

へんぴな場所に建っている

私が勤務していた病院もすごく山の方にありましたがなんとか自転車通勤可能でした。

多くの人は車通勤で、少しだけ電車とシャトルバスを利用している人も。


精神科以外に学べることが少ない

内科医は週一で来るくらいでほとんど精神科処方なので確かに広い知識を得ることは難しいです。

精神科に特化した薬剤師になるなら打ってつけですが、そうでないならある程度いろんな診療科を経験してから精神科へ転職することをおすすめします。


転職に不利になるかも

精神科しか経験が無い場合、学べる範囲が狭いので転職時にやや不利になる可能性があります。


精神科病院で働くメリット

  • 業務内容が少なくて楽
  • 基本的に定時で帰れる
  • 給料が高い

業務内容が少なくて楽

一般的な病院よりも業務が少ないので負担は少ないです。


基本的に定時で帰れる

業務内容が少ないので基本的に定時に帰れます。

終業時間際に入院患者が来たりするときは難しいですが。


給料が高い

一般病院と比較すると給料が高いです。正社員になりたいくらいでした。

それでいて業務量が少なくて定時で帰れるというのは素晴らしいですね。




精神科病院での薬剤師の仕事

私が働いていた病院では以下の仕事がメインでした。

業務自体は一般的な病院と同じですがやっぱり少ないですよね。

  • 内服薬&注射薬の調剤・鑑査
  • 入院初回面談
  • 服薬指導

内服薬&注射薬の調剤・鑑査

精神科ならではの特徴は、コンサータやビバンセなどの登録が必要な薬が出てきたり、月に1回打つLAI (Long Acting Injection:持効性注射剤) *の払い出しを行うことです。

あとは精神系薬は禁忌が多いのでより注意が必要です。

注射処方は一日10枚くらいしかありませんでした。 どこの精神科もこれくらいなんですかね?

*LAI:Long Acting Injectionの略で、持効性注射剤の意。導入時以外は効果が持続するので基本的に月1回の投与で済む。


入院初回面談

初回の入院時は必ず付き添いの方がいらっしゃいます。(先に患者本人だけ来ることもあります。)

精神科ならではの特徴は、LAIを使っているか否かを聞くことです。

あとは一般的な病院と変わりありません。

初回面談に聞くことリストの例はこちらをご覧ください。


服薬指導

私が勤務していた病院はノルマのようなものはなく、比較的時間に余裕があるときに行けばいいスタンスでした。

薬に対するこだわりが強く、少しやっかいな患者さんもいました。

薬の知識はもちろんですがコミュニケーション能力の重大さを一層感じました。



まとめ:精神科病院で働くことは怖くない

精神科病院に限らずどんな病院でも何が起こるかはわかりませんし、精神科病院でなくとも攻撃的な患者さんはいます。(新卒で入って病院で叩かれそうになった経験あり。)

なので精神科病院だからといって特別構える必要はありません。

危なそうな患者さんは入院前から情報が入るので対応に慣れていない人が担当になることはまず無いはずです。

精神科病院で働いてから以前よりも心が広くなりました。

薬以外にも学べることがたくさんあります。

精神科病院に興味がある方、働いてみようと思っている方の参考になれば幸いです。